和光荘 明治から大正にかけて、「商都」と呼ばれる地がいくつかありました。 西には大阪や神戸、東には横浜や東京があります。 そして商都と呼ばれた街には必ず商業で財をなした富豪がいて、眺めの良い高台に豪邸を建てているのが一般的となっていました。 …
旧集成館機械工場 旧鹿児島紡績所技師館 鹿児島の市街地を海岸沿いに北に進むと、薩摩藩主島津家の別邸「仙厳園(せんがんえん)」が姿を現します。 雄大な桜島と錦江湾(きんこうわん)の広がりのもとにある美しい別邸は、歴代の藩主がひとときを過ごした場…
1889(明治22)年1月1日、日本初の公衆電話が、東京と熱海の間に開設されました。 熱海 都内の官公庁などに設けられていただけの電話が熱海に設置された理由は、普及促進が目的でした。 当時、まだ高額だった電話を使用できるのは富裕層のみでした。…
1874(明治7)年、東京で発行された新聞が大人気となりました。 毎日新聞の前身である「東京日日新聞」からニュースを選び、派手な色彩画で伝えるという錦絵版の新聞です。 「知見を拡充し、文明開化を進める」という謳い文句で発行されたこの新聞のタ…
「君子が天下を安定させると、不思議な力を持った鏡が現れ、天下が乱れれば鏡は失われる」 これは中国で後漢時代に広がった「讖緯(しんい)思想」の一説です。 中国では古来から「鏡」が政治権力の象徴とされ、「玉鏡」や「金鏡」、あるいは「天鏡」などと…
山陽本線の柳井港駅で下車し、そこから連絡船で上関町の室津港を目指すと、その港の岸には、漆喰の白色が印象的な擬洋風建築があります。 この建物は『四階楼』と呼ばれています。 四階楼 室津港 連絡船の航路にはかつて、北前船が通っていました。 北前船と…
<片倉館> 長野県、諏訪盆地にある諏訪湖。 その湖畔にある諏訪や岡谷などの町々は、明治から大正時代、この湖の豊富な水を利用して、製糸業で大いに栄えました。 <諏訪湖> そんな数ある製糸会社の中でもトップの業績を上げていた企業が、片倉製糸紡績(…
<旧遷喬尋常小学校> 2005(平成17)年に公開された映画『ALWAYS 三丁目の夕日』。 日本アカデミー賞など多くの映画賞に輝いた作品なので、観たことがある方も多いでしょう。 この映画の舞台となったのは、昭和30年代の東京です。 撮影は、当時の街…
<綿業会館 談話室> 大阪府大阪市の中心地に、茶色いタイル貼りの雰囲気のある建物があります。 綿業を営む人たちによって昭和初期に建てられた「綿業会館」です。 <綿業会館> 世界では、紀元前2000年ごろ(4000年前)からインドで綿の栽培がすで…
<豊平館> 豊平館は、北海道札幌市の中央区中島公園内にある西洋館です。 この館は元々、開拓使官営のホテルとして建てられました。 最初の利用者は明治天皇で、明治天皇の北海道行幸の際の行在所となった1881(明治14)年8月30日が開館日となって…
<日本銀行本店本館> 私たちが普段から利用している「お金」。 これは「日本銀行」が発券することで初めて価値を持つものです。 一万円札も千円札も、この銀行がなければただの紙切れです。 <一万円> 銀行の銀行と呼ばれる「日本銀行」。 この記事では、…
<六華苑> 三重県桑名市にある六華苑は、実業家・二代目諸戸清六(にだいめ もろと せいろく)の新居として、1913(大正2)年に完成した邸宅です。 揖斐川・長良川を望む広大な敷地に、洋館と和館、長屋門、蔵が並び、池泉回遊式の日本庭園により趣深…
小樽市を代表する観光地でもある小樽運河。 1923(大正12)年に完成し、小樽市の海運を支える需要な役割を担ってきました。 しかし、戦後港の埠頭が整備されると、その役割を終えました。 <小樽運河> その小樽運河で、「小樽運河論争」を巻き起こす…
東京駅。 誰もが知っている日本の中心地です。 駅という場所は、古くから都市の顔としての役割も持ちます。 たとえバスセンターや空港ができたとしても、その地位は未だ揺るぎなく、最近では都市の中核施設として注目されています。 そして、今回紹介する「…
突然ですが、日本にムスリム(イスラム教徒)が何人いるのかご存知ですか? 統計によると、外国人ムスリムが推定5万~10万人程度、日本人ムスリムが推定700~7万人程度ということになっています。 正確な数はわかっていませんが、けっこうな人数がい…
大正期の建築は、特に意匠の上において、明治期までの様相と異なる新しい風が感じられる建築が多いです。 そのうちの1つが山口県政資料館(山口県 旧県庁舎および旧県会議事堂)です。 旧県庁舎 旧県会議事堂 隣り合わせに並び立つ旧県庁舎と旧県会議事堂が…
本州から九州に渡ってすぐの北九州市に、洋館と和館を併設した大規模邸宅があります。 この邸宅は現在、『西日本工業倶楽部』の倶楽部会館として利用されていますが、もともとは松本健次郎という人物の邸宅として建築されました。 西日本工業倶楽部(旧松本…
京都府京都市の東山七条に本格的な西洋風古典主義の壮大な建築物があります。 それが、『明治古都館(旧帝国京都博物館本館)』です。 東山七条 明治期も半ばになると、日本では国立の博物館や美術館の設置が国家的な課題となりました。 1889(明治22…
中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館は、北海道旭川市にある彫刻の美術館として有名です。 ここでは、旭川市にゆかりのある彫刻家・中原悌二郎の作品を数多く収蔵し、彫刻に関連した作品の展示や企画展・講座なども開催しています。 美術館:展示室 この美術館が…
国内有数の超有名温泉地、別府。 名物の地獄めぐりなど毎日のように観光客でにぎわう観光地です。 別府の温泉街の様子 高速道路から街に近づくにつれ、だんだんと硫黄の香りが強くなっていくのも、この町の特徴の一つです。 別府八湯のなかで、別府駅を中心…
日本一大きな湖琵琶湖。 昔から琵琶湖沿いはリゾート開発が盛んで、多くの著名人などが大津のあたりに住んでいます。 琵琶湖 そのようなことから、大津市は日本一世帯所得額が高い市としてその名をとどろかせています。 現在、そんな大津の琵琶湖沿いは、高…
出雲大社と言えば、日本人なら誰もが知っている日本で最も有名な神社の1つです。 今日では、縁結びで有名なこの出雲大社ですが、もともとは神話になぞらえて建立されました。 そして、旧暦の神無月には日本全国の神々が大社に集まることから、この地域では…
京都で最も有名な建築・清水寺へ向かう参道の脇から少し奥まった所に、不思議なデザインのレトロな洋館『五龍閣』があります。 清水寺 この建物は2009(平成21)年、湯豆腐で有名な順正清水店として使われていましたが、同年11月、五龍閣は、順正の…
JR門司港駅は九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島本線の起点駅です。 反対側の本州には、下関があり、この二つの地は関門海峡によって阻まれています。 巌流島:下関の近くには宮本武蔵と佐々木小次郎が戦ったとされる地、巌流島があります さて、この門司港駅(旧…
笹屋ホテルは長野県千曲市の戸倉上山田温泉にある数寄屋造りの日本旅館です。 外観の見た目からも、完全な和風建築なのですが、実はこの笹屋ホテルを手掛けたのはフランク・ロイド・ライトに日本人で初めて師事した遠藤新という人物です。 フランク・ロイド…
京都に都を移し、平安京を開いてはや1200年以上が経過しましたが、平安時代から京都は水不足という問題が後を絶ちませんでした。 平安京 一方お隣の滋賀県には日本最大の湖、琵琶湖があります。 「琵琶湖から京都へ水を引く」という構想は、平清盛の時代…
観光スポットの多い都道府県でもトップクラスの京都。 そんな京都の観光スポットランキング1120件中436位(2017年7月27日時点)にあたる建築物『1928ビル』をご紹介します。 京都に住んでいても知らない人が多いこの『1928ビル』。 一…
本州最南端である、紀伊半島の南端に位置する和歌山県新宮市に、アメリカの近代住宅を模範としながらも、地元民家の伝統も取り入れた住宅があります。 西村伊作という人物が住んでいた建物です。 彼自身、生涯を通じて100棟あまりを設計した、建築家です…
「今日も疲れたな・・・」 「たまにはどこかに旅行に行きたいな・・・」 そう考えたとき、日本人である私たちの多くは「温泉で疲れをとって、美味しい料理を食べて、リラックスしたい」とよく考えますよね? ご存じのとおり「温泉」というのは、日本人が誇る…
神戸の観光スポットで最も有名な場所の1つ、異人館。 その中に、異人館にしては珍しく赤煉瓦造りの重厚な外観の館があります。 港を見下ろす高台に建ち、三角の尖塔、段々に連なる寄棟屋根にそれぞれ長さの違う煙突を配しています。 崇高な魅力をたたえてい…